―――Project“AGG”―――

プラン12
『試作兵器試験運用専用型アッグ』
開発者:十左スウィネン社商品開発部下請け・科学大迫力研究所主任補佐代理心得


試作兵器試験運用専用型アッグ
EMS-05 TTT: The type only for the trial production weapon test practical use
概要:
 これはユーラシア東部山岳地帯を望む兵器開発工場において確認された機体で、当時のユーラシア東部基地ジオン兵器武装開発技術陣の苦悩が偲ばれる。
 要は、開発技術陣が試作した兵器を搭載し、試験運用する為だけの機体なのだ。
 その為、元々の装備である掘削用ドリル、円盤カッター、レーザートーチ及び4連装ミサイルポッド等は全て取り外され、その代わりに全身の至る所に武装ラッチが追加されている。
 武装を外した状態では、ただの肩アーマー付き丸裸アッグといった感じだ。
 しかも、それらの改修が、どう考えても実戦闘向けではないという、戦いから取り残された悲運のMSである。
<頭部〜胴部>
 円盤カッターの場所、胴部後面、レーザートーチの場所、胴部脇に武装ラッチが存在するが、試作兵器ゆえに装備時の機体バランスまで考慮されていない為、カウンターウェイト用のラッチもそこかしこに存在する。
<腕部>
 武装ラッチ付き肩アーマーは胴部側面に固定されており、腕の動きを明らかに阻害している。
 ラッチさえあればいいという、いかにも実戦を考慮していない改修だと言えるだろう。
 手部は、武器を運用する為の五本指式マニピュレーターに換装されている。
<脚部>
 脚部にはラッチなんて存在しないかと思いきや、実は脚部横に存在している。
 だがこれは武装というより、ほぼカウンターウェイト、あるいはバランサーの役割をする機体の安定度を増す為の物が装備される場所として使用される事がほとんどだった。
<備考>
 資料が残っている試作兵器群を以下に紹介しよう。
 この試作兵器試験運用専用型アッグはこれらの武器を搭載して運用されていた。
 どれも、設計段階で欠点に気づけと怒鳴りたくなる逸品ばかりである。

・竜巻砲:炸薬などを利用し、人為的に竜巻を起こして空中の敵を叩き落すと
     いう斬新な兵器。狙いをつけるのが難しいのと、地上やコロニーで
     しか使用できないという事で開発が断念された悲運の兵器。
・太陽砲:ソーラーレイに倣って試作されたが、鏡の枚数が減った事で威力が
     激減し、ただの紙を燃やすのにさえ数秒かかってしまった為に開発
     が断念された悲運の兵器。
・音波砲:巨大なスピーカーから砲身で指向性を持たせた音波を放出し、敵に
     ぶち当てるというガッツ溢れる兵器。対象範囲内に対して無差別で
     ある事と、長時間照射し続けないと意味が無い事と、宇宙では全く
     使えないという事で開発が断念された悲運の兵器。
・投石砲:どこぞのMSパイロットが岩で連邦の戦闘機を撃墜したという噂話
     にヒントを得て作られた、岩をスイングアームで放り投げるという
     夢と浪漫に溢れた兵器。狙いをつけるのが難しい事と、配置場所に
     よっては弾丸となる岩を持ち歩かねばならない不便さの為に開発が
     断念された悲運の兵器。
・稲妻砲:超高電圧ユニットから放電する事で稲妻を発生させ、敵にぶち当て
     るという男気溢れる兵器。ところが、狙いをつける云々の前に稲妻
     が制御できない事が判明し、開発が断念された悲運の兵器。
・熱波砲:超放熱ユニットから熱波を放出して敵を溶かしてしまおうという、
     ある意味やりたい事が判らんでも無い兵器。欠点を羅列するまでも
     ないだろうが、一番の理由が…敵より先に自分が溶けるという事で
     開発が断念された悲運の兵器。


ま、1時間くらいででっち上げたのでこんなもんか。
本来なら、もっと変な兵器群を考えたかったけど……ま、いいか。
悲運のMSに悲運の兵器か……いいフレーズだなぁ。(笑)
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開発主任:GOZAより
 …いやぁ…本当に好きだね…悲運のMS悲運の兵器が…(笑)。
 是非試作兵器群の形もデザインしてくれ…俺が君の胸にジオン十字勲章、釘で止めてあげるから(大笑)。



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