―――Project“AGG”―――


プラン18
『EMSR−05/C「AX/エイ・エクス」』
開発者:ぶるぅすちぃる


 EMS−05「アッグ」は、南米ジャブロー急襲作戦の為に短期間で開発された作業用MSであったが、開発元のスウィネン社側にしてみれば、与えられた開発期間の短さからも内容の煮詰めが甘く、不満の残る機体ではあった。事実、少数生産されたEMS−05は、各地前線にて使用されてはいたものの、決して使い勝手の良い機体とは言えず、現場からの不満は絶えることはなかった。
 スウィネン社開発部では、EMS−05の採用後にも「本来の『アッグ』を」と根本からの見直しを行い、再度のプロモーションを行うことを決定した。
 具体的には、まず、水陸両用という枠を廃し、純然たる地上作業用のMSとして各部位の再設計を行った。結果、関節部・動力部等の防/耐水シーリングが必要なくなったため、関節単位でのアタッチメント換装が容易になった。これにより、現場単位での各種オプション装備の使用が可能となった。
 次に、不評だった脚部ホバー推進器を廃し、不整地や砂地でも歩行可能な2脚式とした。これにより、重量物の搬送やドリルによる削岩作業中の安定度も、ある程度保証された。また、本体に強力なサブジェネレータを搭載し、出力アップと行動可能時間の延長もはかった。
 基本の両腕マニピュレータ部はバイスクロウだが、前述のとおり各種オプション(削岩ドリル、廃土バケット、鉄筋ブレーカ他多種)への換装も容易で、多方面への活用が期待された。前線での試験運用でも評判は上々だった。
 U.C.0079年12月、スウィネン社開発部は本機に「AX/エイ・エクス」の名を冠し、満を持して軍当局へのプレゼンテーションを行った。当局の反応は上々で、即時本採用かと気運も高まったが、翌月には終戦、ジオン公国軍は解体、当局による採用は立ち消えとなってしまった。
 収まりのつかないスウィネン社は、一般販路を用いた「作業用重機としてのMSの販売」を計画、各方面からの圧力にも屈せず、史上初となる「民間へのMSの販売」を成し遂げた。後にこれが、社会に対する多大な貢献と、局地的な殺戮をもたらす事になるが、その点については後述。
 「AX」という商品名については、スウィネン社の営業/販売部長(当時)アレックス=ツェイスマンによる商品発表会見の文言「兵器としてのモビルスーツの現状を打破する斧(ax)となるべく…」に由来する、と公式には発表されているが、新規販路を開拓すべく奔走した「Allex=Xeithman」本人のイニシャルを冠したという説(余談だが、同社開発主任「アントニオ=周:Antonio=Xheu」も同じイニシャル)や、基体MSの名称「Agg」にカスタムを施したことを示すコード文字「S」を付けた「Agg-S(アッグス)」をもじったものだという説が有力である。

●EMSR−05/G「V−AX/ヴィ・アグス」又は「D−AX/ディ・アグス」
 型式番号・呼称ともに正式なものではないが、各地で同様のカスタムがなされた機体をこう呼ぶようになった。
 ゲリラや反政府過激派団体によって使用されたもので、右腕に火炎放射器付きのバイスクロウ、左腕に削岩ドリル、肩部にマイクロミサイルファランクスを装備するのが一般的構成。特筆すべきは、基体MSの特色でもある並はずれた重装甲で、前部・上部の装甲は120mmマシンガンの直撃をものともせず、軍警察の用いたMS-06Jザク改を次々と屠ったという記録も残っている。

●EMSR−05SC「エイ・エクス・セキュリティカスタム」
 警備活動や暴徒鎮圧用に、警察機関や民間の警備会社向けに販売されたEMSR−05のカスタムモデル。両腕を「指」付きマニピュレータに換装して、簡素な銃器や電磁警棒を扱えるようにした他、肩上部に回転灯や投光器、拡声器などを装備している。
 この時代、敗残兵によるMSを使ったテロや犯罪も少なくはなかったが、軍警察の対応は決して行き届いたものとは言えなかったため、地方警察や民間警備会社はこぞってこのモデルを導入した。

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開発主任:GOZAより
 いつもながらのみごとなデザイン、さすがです。
 ……って、いつぞや“へんみ”見せていただいた私が足と勘違いしたパーツは実はEMSR−05/G「V−AX/ヴィ・アグス」の腕だったとは!
 …つーかEMSR−05SC「エイ・エクス・セキュリティカスタム」はVOXのAGE、EMSR−05/G「V−AX/ヴィ・アグス」はドリルが無いけど多分付けれるだろうドルドレイ?(笑)
 しかし両方ただのオマージュに止まらず、セキュリティカスタムはパトライトが付いてるし…アッグをデザイン的に見事に溶け込ませて中の人にして、手足の増加されたパーツがすばらしく見事に融和し、アッグだけどアッグじゃない、でもどっから見てもアッグと言う、ピンと張ったロープを綱渡りする、少しでもどちらかに傾いただけで谷底に落下するような、ギリギリまで研ぎ澄まされた日本刀のようなデザイン美、いつまでも飽きないほれぼれするデザインです…すばらしい!
 ナニかとお忙しい中製作も中々進まないようですが,私の命ある限りお待ちしておりますので、完成の暁には再びご投稿ください。



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