『MSM−04N:HGUCアッグガイ』  [ガンプラ:スケール 1/144]
[製作過程]


正面から…カーソルを載せるとヒートロットで攻撃します(笑)。



 ジャブローで散れ!!

・製作
 ……やっちまった(笑)。
 大魔王氏と話していてつい盛り上がってしまい、勢いに任せて製作開始。
 ガンダムの上半身+ガンタンクの下半身だけではつまらないかと思い、ちょうどいい具合に長年探していた蛇腹状のパイプパーツも見つかったので、ヶ゛ッ夕ー3も混ぜる事にしました(笑)。
 で、作ってみると…あ、できちゃった…ってぐらい簡単に完成(笑)。
 FGガンダムの頭部、旧キットの1/144のGMの胴体、蛇腹パイプ、MGのおまけで貰ったメカニカルパーツの手、そして旧キットのガンタンクの下半身、後はプラ板やプラパイプ等を組み合わせました。
 蛇腹パイプは、片方を粘土でふさいでレジンを流し込み、そこに接続用のプラ棒と関節代わりの針金を刺し込み、反対側は手が丁度入るガンプラで余ったポリキャップをアルテコのSSPで固定して作りました。
 後はまぁ、それっぽく合体させて整形…ヶ゛ッ夕ー3は顔の横に円錐状のパーツが有るのですが、ガンダムでそれをやるのはさすがに気が引け多ので正面から見るとそれっぽく見える感じでバックパックを雰囲気でっち上げました。
 塗装は実はいろいろエアブラシのテクニックを試したのですが……出来てみたらぜんぜん出来てませんでした(泣)。
 タンク部分は青みの入ったしろを塗っておき、パネルラインにそれを残しつつフラットホワイトを吹いてグラデ塗装したり…胸の緑色は最初に下地の上に蛍光グリーンで塗装して、後からライトグリーンを真ん中に蛍光グリーンを残すようにグラデするように周囲にだけ塗ったり……。
 何一つ成功してません(号泣)。
 その上これ塗ってる最中にエアコンプレッサーが壊れると言うアクシデントに合いましたが、絶叫しながら昔ながらのエアタンクでの作業に切り替えて完成させました。
 下半身を中心に墨入れをちょろちょろし、キャタピラ部分のみウェザリングをしました。
 今回のAFV大会のお笑い担当を狙って作ったので、仕上がりとかは多少目を瞑ってもらうということで!
・設定
【アッグガイ考証…アッグガイの複眼(compound eyes)とそのシステム】
 
 さて、アッグガイを見ると取分け目立つのは、その巨大な複眼と、それを取り巻く横にした三日月型の頭部でしょう。
 デカイとか意味無いとかどうやって稼動するんだとかいろいろ言われますが、今回はこの複眼とそれに付随するであろうシステムについて考証したいと思います。
 まず、何故複眼か、ということについて考えましょう。
 複眼とは『個眼が多数集まった目。節足動物(昆虫類・甲殻類など)や多毛類などに見られる。物体の形態を識別できる。昆虫では色彩弁別の能力もある。広い視野が得られるのも特徴。しかし固定された目であるため、ピント調節をすることはできない。また左右の動きには敏感だが、遠近感がないため前後の変化には鈍感。』 ということであるが、MSにこれを採用した場合果たしてどうなるか?
 複眼の一つ一つはいわば独立した一つの目であり、昆虫はピントを調節できないとか遠近感が無いとかの特徴があるようですが、MSにはこれらは無いでしょう…少なくともザククラスのモノアイが集合している複眼と思われます。
 で、ザクやグフやドムやアッガイやズゴックそしてゾックやジオングでさえ、モノアイ一つで済んでいるというのに、それを大量に並べて複眼化する意味は一体なんなのか!?
 ここでは、昆虫の複眼の特徴でもある『左右の動きには敏感』 に注目したい。
 模型等を見る限り、アッグガイの複眼はドーム状に半球になっているように見えます。
 これは、前方約180度…とまでは行かなくとも120度ぐらいに対して、複眼で監視していると思われます。
 言うなれば複眼を構成するモノアイ一つ一つが、決められたエリアを監視しているといってよいでしょう。
 モノアイが捉えた画像全てをコクピットに投影する事は…出来なくも無いですがパイロットがそれを全て認識する事が出切るとは到底思えません…。
 模型で確認すると、六角形のモノアイが少なくとも二廻り…最低19個、その周囲に欠けたりはしていますがもう一回りありますので、最大37個にもなります(六角形の仕切り一つがモノアイ一つとして、ですが)。
 これだけのモニターを並べる事は、できない訳では無いでしょうがパイロットの認識を考えると不可能です。
 ではどうするかと言うと、個々のモノアイで捉えた情報は一度コンピュータ等の高度の情報収集分析機を通し、一つの画像としてパイロットに表示する、が一般的でしょう…一年戦争標準の地上用で言えば、前左右に大型のディスプレイがあるというのが標準です(他に上空や後方とかの小型モニタがあると思われます)。
 で通常はモノアイとサブカメラで行っている視覚による外部情報の収集は、自機に対して一定の検索エリアが固定されている複眼ならより多くの情報を得られることは容易に想像できます。
 外部の情報を多く得られ、それをきっちり情報分析できるのであれば、敵の動向をより詳しく掴む事が出来ます…これは格闘用であるアッグガイにとって非常に有効に働きます。
 まさに相手の移動先を予想するかのような機動ですばやく格闘に持ち込むことが出切るのでしょう。
 …しかし、複眼にした理由はそれだけでしょうか?
 アッグガイの製作は、キャルホルニアベース工廠とも言われていますが、アッガイがジオニック社製であり、水陸両用MSのシェアをMIP社製のゴック・ズゴックに奪われている所を見れば、ジオニック社の手も何らかが入っていると考えられます。
 データでは、武装は4本のヒートロッドしか有りませんが、頭部と腕先に砲口のような物が確認されます…ビーム兵器は無理でしょうが、アッガイと同程度の武装(105mmマシンガン等)がされていたか、される予定であった事は間違い無いでしょう。
 ズームパンチとブーメランしかないゾゴックよりは本気(実用に耐える武装)であったことが伺えます。
 そうすると頭部に105mmマシンガン×2、両腕にヒートロッド×2、105mmマシンガン×1の武装ということになりますが、これでもアッガイと同等か、それ以下の武装ということになります。
 水陸両用MSのシェアを奪い返したいジオニック社は、射撃戦ではアッガイに劣り、格闘戦でアイアンネイル×8+フレキシブルアームのアッガイと比べ、ヒートロッド×2と同等かそれ以上のアッグガイで何がしたかったのか…。
 私はここに『複眼とコンピュータの高度の情報収集分析による自動反応システムこそ、ジオニック社の目的であり、アッグガイ製造の目的は、そのシステムの構築にこそ合ったのでは無いかと、提唱します。
 この『複眼とコンピュータの高度の情報収集分析による自動反応システム』とは何かといいますと、簡単に言えば『MSが勝手に回避/攻撃するシステム』です。
 複眼で得られる高度な情報を処理し、脊髄反射のように敵に対して反応するのです。
 敵が攻撃範囲内に入った場合、自動的に攻撃する。
 航空機から投下された爆弾を自動的に回避する。
 敵が射撃をするポーズを取り、その射線上に自機が移動する機動を取っている場合、自動的に軌道を変更する。
 左右から挟撃された場合、より小さな機動で回避できる攻撃は回避し、攻撃することで相手を阻止できる方は攻撃する…。
 これらは、モノアイの分析能力では不可能で、複眼による高度な情報収集能力が合って初めて可能になることです。
 アッグガイは、ただの格闘用の試作MSだったのではなく、『複眼とコンピュータの高度の情報収集分析による自動反応システム』の試験運用とデータ収集こそ、アッグガイに与えられた目的だったのです。
 ルウムにおいて多数のベテランパイロットを失ったヂオン軍にとって、若年パイロットでも十分な戦闘力を発揮できうるシステムの構築は魅力的だったに違いありません…そしてジオニック社製もそう考え、シェア奪還を目指してシステムを作り出そうとした事は十分考えられます。
 …結局、後に複眼を持つMSが無い事から『複眼とコンピュータの高度の情報収集分析による自動反応システム』は上手くいかなかったと思われます。
 原因はいろいろ考えられますが、システムが敏感に反応しすぎたか、逆に反応が鈍感だったのか、そのバランス取りに苦労したのかもしれませんし、自分で予想したと別の機動をするMSはそうとう乗り心地が悪かったのかもしれませんし、そもそも複眼とはいえ相手の状態を確認するまでの解析能力がなかったのかもしれませんし、情報を収集解析するコンピュータが必要とされる能力に満たなかったのかもしれません。
 最も考えられる事は…アッグガイの頭部の大きさを考えるとMSに収まりきらなかったが考えられます。
 その為『複眼とコンピュータの高度の情報収集分析による自動反応システム』の研究は、より大型のサイズであり、同じ複眼を持つMA…『ザクレロ』に移されたと思われます…。
 宇宙そらに進出した『白い悪魔』R×ー七十八に対し、ビグロがパイロットに涎を垂らさせただけだったのに対し、対MA装備までした同機を、例え撃破されたとはいえ腕部ジョイントを破壊したのは、この『複眼とコンピュータの高度の情報収集分析による自動反応システム』のおかげだったのではないでしょうか……それとも『デミトリー』がエースクラスの腕だったのか…。
 しかし、自社のシェア奪回を狙ったシステムが、結局ライバル社のMAでテストされるとは…どうやら軍の目に止まったのは間違い無いようですが皮肉な事です…。
 これらを鑑み、アッグガイの複眼は固定式であったと考えます。
 複眼が動いて物を捉える意味は余り無いでしょうし、そもそもあの頭部の形状では、複眼が移動しても角度を変えられないですから…ザクでさえモノアイの移動はその視認角度を変える為であり、アッガイに至っては360度+上方180度にまで至ります。
 移動させたとしても視認角度が変らないのですから、固定である方が説得力あります。
 ではあの稼動しそうな切込みは何か…と考えますと、あれは単に複眼が見易い為の切り込みだった訳です。
 あの頭部は『複眼とコンピュータの高度の情報収集分析による自動反応システム』を搭載する為に肥大化した訳でありますが、これは『EXAMシステム』を頭部に搭載したイフリート改の頭部も肥大化した事を考えるとありえないことではありません。
 で、大切なアッグガイの存在意義とも言えるシステムを防御する為に、頭部は複眼を除いてそれなりの強度が有ったと思われます。
 あの頭部の形状は、一部の恐竜や両生類が弱点である首を守る為に襟状に進化した部分を持つと同じように、ついでに重要な部分を守る意味合いも持たされていたのでしょう…確かに斜め上空から見ると、アッグガイの頭部は腕の基部やコクピット、バックパックをカバーしています。




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