タイトル:『AMX−003:ガザC』   [ガンプラ:スケール 1/144]
[製作過程]

【MS形態】

【MS形態】

【細部】

【バリエーション】
 この機体はメイルシュトローム作戦後、アクシズが各コロニーに制圧部隊を送った時のとあるコロニーで確認された機体である。
 機体自体はクローの大型化や動力パイプが変更されている。
 バックパックの上部にあるビームキャノンは通常のガザCでは固定式であるが、このガザCは一軸とは言えターレットに装備されて、MA形態のみならずMS形態でも正面に使用できるようになっており、このタイプのビームキャノンを備えているのは本来射撃強化型のガザCで使用されている物である。
 そして両シールドにはそれぞれ3本づつのスパイクが装備された物になっているが、これは格闘強化型に用意された物であり、これを見ただけでもこのガザCは射撃強化型と格闘強化型の両方のパーツを使用している事が伺える。
 時期的に既にガザCは前線から退役しつつある状況にありその分カスタムパーツを自由に使えたようで、上記の各種バリエーションのパーツが混ざって使用されている珍しいカスタムされたガザCである。
 ちなみに右肩のマーキングは階級章と思われるが、実際に表示とパイロットの階級が同じなのかは不明である。


【製作】
頭部  胴体の挟み込みなのをポリキャップに、挟み込みの軸が3mmなのでローリングジョイントの大きい奴に取替え、頭部は挟みこみ部分を切断して3mmの軸にしました。
 形状等は特に変えてません。
胸部  内部のフレーム部分は頭部との接続をポリキャップに変更し、同様にバックパックは挟み込みだったのでこれも、挟み込みの軸が3mmなのでローリングジョイントの大きい奴に取替え、バックパックとの接続部分を切断して3mmの軸にしました。
 左右の肩関節軸を2mmぐらい上に移動し、肩ブロックが胸部と同じような高さになるように調整。
 ちなみに左右の胸部裏側が露出なので隙間をエポパテで埋めて市販パーツを貼り付けました。
 左右の胸部も曲面が主体ですたが、耐水ペーパーで削って角を出してます。
 動力パイプはナックルバスターの物以外は100円ショップのゴム紐です。
 胸部左右ブロックの裏側(円筒状の腕の軸の生えているパーツの奥)に市販パーツが貼ってあるんですが…ほとんど見えないから付けなくても別に良かったかなァ?
バックパック  本体との接続部分を挟み込みからポリキャップにしたのは先ほど述べた通り。
 テイルスタビライザーも同様に挟み込みから挟み込みの軸が3mmなのでローリングジョイントの大きい奴に取替え、テイルスタビライザーの接続部分は切断して3mmの軸にしました。
 テイルスタビライザーの接続部分の肉抜きはポリパテで埋めて置くと見栄えがいいですし。
 ノズルはテイルスタビライザーに接続するのを止めてテイルスタビライザーにプラ板で台座を作ってそこに接続、ちなみテイルスタビライザーの上の合わせ目は消し難いので、穴を空けたプラ板を貼ってディティールっぽくして誤魔化してます。
 MS形態時には隙間が目立つのでMA形態の時に体や頭部が入り込む隙間にカバーを作り、これを複製して量産してあります。
 また、ビームキャノンの独立可動をする為に9.5mmのプラパイプに市販パーツで蓋をした筒を作ってキットのビームキャノンを切り離して接続、ポリキャップのランナーを3mmのポリ棒にして中央に接着し、可動と接続の軸にしています。
 上の方はビームキャノン部分に沿って凹みがあるので、その部分をもりもり君で埋めてます。
 その辺を埋めつつ、バックパック内にプラ板で仕切りを作って3mmの穴を空けたプラ丸棒を接着して軸をはめ込みます。
 このビームキャノンの独立可動は本来射撃強化型の物です。
腕部  上腕は接続位置が上がっているしなんとなく短い気がするので1mm延長。
 肘の段差はアルテコのSSPで埋めてますが、以後のバリエーションはここを削ることにして段差を無くしています。
 肘の関節隠しのパイプをゴム紐変更…塗り替えするのが面倒ですから(汗)。
 もうちょっと下腕に潜り込む所を凹み作ってやらないと、肘を曲げたときにみっともないなァ。
 手首は手首の関節隠しを入れるように大きく切り開いてポリキャップを切り落とし、市販のノズルパーツの根元の方を加工した物を複製した関節隠しを手首パーツにつけています。
腰部  腰の前と後ろの装甲の裏は塞ぐパーツを作ってこれを複製して使用。
 左右の腰は接続軸を切り飛ばして接続軸を角度を変えつつ新造し、上側にディティールの入った塞ぎパーツを作ってこれも複製してます。
 ポルキャップ隠しは作らなかったんですが、上側の塞ぎパーツで十分隠れると思います。
シールド  スパイクを三本シールドから生やします…5mmの丸プラ棒を鉛筆削りで尖らせて適当な所で切り飛ばして使用、複製とか考えましたが、結局6本全部削りました。
脚部  特に変更は無いですが足の甲の装甲は後ハメ、裾とかは薄く削ってあり、動力パイプは胴体と同じゴム紐に交換してあります。
 脚の爪先は大型&先鋭化。
 これも複製して大量に用意し被せ、裏側はもりもり君で埋めて成型してあります。
 アキレス腱の動力パイプは色塗りが面倒なので切り飛ばし、ハマーン様専用ガザCの動力パイプを短く切って1mmの真ちゅう線で固定してます。
 墨の吹き取りがちょっと雑だなァ……でもゴム製なので修正とか難しくてそのままです…。
塗装&ウェザリング各種  表面処理後サーフェサーで傷チェック&下地作りをしてから、アクリルのエアブラシで塗装しました。
・本体ピンク:ピンク+ホワイト+レッド+イエロー、比率はもう不明
・本体紫:パープル+ピンク+ブルー+クリアーレッド+クリアーオレンジを混ぜた筈だか比率は既に不明
・関節各部:ジャーマングレー
 墨入れはエナメルで、ピンクはフラットアース+ブラックを4:6ぐらい、パープルはブルー+ブラックをペトロールで6〜8倍ぐらいに薄めて流し込み。
 胸部と腰前装甲の3本スリットはブラックのみです。
 グレイ系のエナメルでドライブラシをして角部分を強調。
 最後は全体的につや消しクリアーでコートしてやって完成です。

【設定】
 ガザC…このMSがアクシズが地球に帰還する場合において大量生産を優先して考えられた可変型MSであることはもはや必要の無い事実である。
 実際グリプス戦役においては300機前後が導入されたものの、ティターンズ、エゥーゴ、アクシズのとの戦いが一段楽するメイルシュトローム作戦(エゥーゴ作戦名)の終結時には約180機が撃墜、もしくは修理不能として破棄されたという脆弱さを露見していた。
 ガザCはムーバルフレームとは言いがたいブロック式の構造をしており、また装甲やその構造も脆弱であり『三度出撃したらそれだけでバラバラになる』と後日鹵獲機体を調査したAE社の技術者が漏らしたと言う。
 だがそれは少資源で数を揃えることを念頭にした構造であり、地球帰還時にとにかく数があれば良いと言う要求はともかく満たしたと言えよう。
 さらにMS・MA・砲撃の3形態の変形(変形というよりは目的に合わせたブロック移動というべきである)は限られた艦内に積み込む時の省スペースに非常に有効に働き、並みの量産型MSのスペースに通常の3倍詰め込めたと言われている。
 そしてその省スペースで大量にガザCを詰め込んでなお補修用のパーツを大量に詰め込む事が可能であった(むしろ未組み立て状態での予備機も搭載数に含めていた)。
 このように壊れる事を前提としているとも言えるブロック式構造はまた、損傷時に簡単な部品交換で即座に再出撃が可能であると言うモジュール化というメンテナンス性を持ち、また専用のブロックに交換する事で更に局地戦に特化したバリエーションを簡単に派生させる事ができた。
 当時のアクシズ軍では各パイロットはある一定以上の功績で自由にカスタマイズが許されたと言う…これはアクシズの母体であるジオン軍からの伝統であり、当時は盛んに行われていたことである。
 …もっとも、ガザCのパイロットはその機体の脆弱さに加えて初陣のパイロットが多く未帰還者もかなりの数に登り目立った功績を立てる者も少なく、またかりにもし立てられたとしてもわざわざ危険なガザCでパーソナルカラーを使ったりカスタマイズするような事はせず、別の機体に乗り換える者がほとんどだったと言う。
 
 そのような状況でガザCのバリエーションはいくつか確認されている。
 ガザCでは危険と言われた格闘戦に特化した物、ガザCの特徴である集団密集戦での射撃戦を更に追求した物、MA形態での運用に特化し軽MAや戦闘機的に運用された物、グリプス戦争も後期になり旧式化した後に多く見られるようになった砲撃形態での砲撃能力を更に強化して艦船に張り付いて移動砲台として運用された物、さらには水中用に改造されカプールと同時に出撃したものや、アクシズの事実上の指導者であったハマーン・カーン専用と思われる超カスタム機体(この機は実際に製作はされず計画と完成CGのみが残されていた)すら計画されていたのである。
 
 このようにガザCのバリエーションは意外と多く活躍期間は短いと思われるが、その後も残党軍やテロリスト等の手に渡って改良されつつ使われ続け、最終的にはUC0093近くまで使用されたという記録が残っている
。  これはこのガザCと言うMSが量産性のみを追及した脆弱な機体というだけではなく、目的に合わせて変形できる特性はそれぞれの状況下では下手な汎用MSよりも高く、背景の資金・技術が弱い組織や部隊では例え高性能でも運用にコストがかかるMSよりも歓迎さ、整備性や手を入れ改造し易いモジュール化された優れた機体構造をしていたという事であり、当時の第三世代から第四世代のモンスターMSと比較すれば確かに性能は悪かったかもしれないが機体性能だけに限らない総合的な機体の汎用性と運用性、そしてMSを維持・運用していく為のコストの低さとメンテナンス性、これらの特徴が長らく使い続けられる要因になったと言えよう。
※この文章はあくまで公式でもなんでも無い私的な妄想です。




ゴザーグ工房トップへ
表紙へ戻る